代表挨拶


 日本小児医学教育研究会は当時、日本小児科学会会長であった衛藤義勝先生(東京慈恵会医科大学名誉教授)が代表幹事となり2000年に設立されました。「優秀な小児科医の育成には優れた卒前教育・専門医育成システムが必須である」がこの研究会の設立理念でした。当時の日本の小児医学教育は各大学に委ねられており、教育の内容・質という点においてバラツキが大きい事が問題点でした。したがって、卒前の小児医学教育そして卒後の専門医教育の標準化とグローバルスタンダード化の推進が本研究会の当初の大きな目的の一つでした。

 第1回の研究会は順天堂大学山城先生、京都大学中畑先生、横浜市立大学横田先生などの全国の小児科教授の協力のもと、衛藤義勝先生を会長として東京慈恵会医科大学で開催されました。以降、年に一回、卒前・卒後の小児医学教育の種々の課題について各研究会においてテーマを決めて研究会を開催してきました。第9回からは井田博幸先生(学校法人慈恵大学理事)が代表幹事を引き継がれ、研究会の会長を2年毎の持ち回り制にして現在に至っています。

 第20回からは私が代表幹事を担当させていただき、若手の先生にも幹事に加わっていただき、更なる研究会の発展を願って運営しております。設立当初に比べて現在では日本の医学教育領域の発展はめざましく、日本医学教育評価機構による医学教育分野別評価も進んでおり、世界水準での標準化が図られております。小児医学教育においてもこの波に乗り遅れることなく、卒前教育、初期臨床研修、小児科専門医教育そして生涯教育とシームレスな流れの中で、小児医学教育の問題点やトピックスを参加者皆様で議論し、研究会として提言していきたいと考えております。

 小児医学教育の充実は、よき小児科医育成へと繋がり、ひいては小児医療の発展に資するものであります。この日本小児医学教育研究会が我が国の小児科学の発展に貢献することを祈念して代表幹事の挨拶とさせていただきます。

関西医科大学教育センター

西屋 克己